土地区画整理組合(以下「組合」といいます。)の事業資金で不足する場合、組合は総会の決議を経ることにより、組合員から賦課金(要するにお金です。)を徴収することができます(土地区画整理法第40条第1項、第31条第7号)。

総代制をとっている組合では、総代会の決議によっても、組合員に賦課金を課すことが認められています(同法第36条第3項、第31条第7号)。

ところで、総会や総代会で賦課金の徴収について賛成が得られても、組合員の中には反対者もいますので、賦課金の徴収には少なからず苦労します。

 

ただ、組合が、土地区画整理事業という公的な性質を帯びた事業を行っている公的な団体であることに鑑み、土地区画整理組合法は、賦課金の滞納者に対し滞納処分をすることを認めています。


以下の条文をご参照ください。

土地区画整理法 41

1 組合は、賦課金、負担金、分担金又は過怠金を滞納する者がある場合においては、督促状を発して督促し、その者がその督促状において指定した期限までに納付しないときは、市町村長に対し、その徴収を申請することができる。

2 組合は、前項の督促をする場合においては、定款で定めるところにより、督促状の送付に要する費用を勘案して国土交通省令で定める額以下の督促手数料を徴収することができる。

3 市町村長は、第一項の規定による申請があつた場合においては、地方税の滞納処分の例により滞納処分をする。この場合においては、組合は、市町村長の徴収した金額の百分の四に相当する金額を当該市町村に交付しなければならない。

4 市町村長が第一項の規定による申請を受けた日から三十日以内に滞納処分に着手せず、又は九十日以内にこれを終了しない場合においては、組合の理事は、都道府県知事の認可を受けて、地方税の滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。

5 前二項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。 

つまり、組合員の中に賦課金の滞納者がいる場合、組合は市町村長に対し、徴収をするよう申請でき(1項)、その場合、市町村長は滞納処分を行い(3項)、または、市町村長が申請を受けた日から30日以内に滞納処分に着手せず、又は90日以内に滞納処分を終了しないときは、組合自身が都道府県知事の認可を受けて、滞納処分をすることができる(4項)のです。

 

ところで、「賦課金の滞納処分」とは何ぞや? と思うかもしれません。
これについては税金をイメージしていただくのが早いと思います。

税金を滞納していると、税務署が預金や不動産を差押えて、預金から税金を回収したり、不動産を公売にかけて、売却代金から税金を回収します。
通常の民事事件では、強制執行をするには、判決や公正証書などの「債務名義」と言われる書面が必要ですし、それを取得するため、延々と裁判をしなければならなかったりします。
さらに、差押え等の強制執行を行うには、裁判所を通さなければならず、不動産の競売手続には1年ぐらいの時間がかかったりします。

しかし、滞納処分には債務名義は必要ありませんし、裁判所を通す必要もないので、非常にスピーディーに進めることができます。

また、滞納処分の根拠となる地方税法や国税徴収法の中には、銀行等に対する調査権限も認められていますので(地方税法第68条第6項等により準用される国税徴収法第141条第3号及び第4号参照)、組合側としては、滞納している組合員の財産調査も(ある程度)進めることができます。

したがって、土地区画整理組合の滞納処分は非常に強力な権利ということができますので、賦課金を滞納されている方は注意した方が良いでしょう。もちろん違法な滞納処分には、上級の行政庁に対する行政不服審査請求や取消訴訟などの救済方法が認められていますが、単に事業に反対だからとか、賦課金に反対だからということでは、賦課金の不納付を正当化する理由にはなりませんので、滞納処分を受ける可能性があることになります。