土地区画整理法第41条第4項は、組合施行の土地区画整理事業において、組合員が賦課金を支払わない場合には、都道府県知事の認可を受けることにより、組合が「地方税法の例により」滞納処分をすることを認めています。また、組合施行における清算金についても、同法110条第7項により同法第41条第4項が準用されていますので、組合員の中で清算金を支払わない(交付しない)者がいるときには、賦課金と同様に「地方税法の例により」滞納処分をすることができることになります。

で、滞納処分とは何か?ですが、これは、難しく説明すると、「法定納期限等一定の期日までに納付されない税などについて、徴収権者が、その税などにかかる債権を滞納者の意思に関わり無く回収する行政処分」などということになります。

要するに、売掛金債権とか貸金債権などの民事債権を強制的に取り立てようとすると、債権者はまず裁判所で裁判をして、支払いを命じる判決を出してもらって、さらに、裁判所に強制執行の申立てをして、債務者の財産を差し押さえるということになるのですが、税金の場合には、税務署や役所の職員が裁判所を通さずに直接、銀行や法務局に行って、滞納者の財産の差押えをすることができます。このような税金等を取り立てるための強制処分のことを滞納処分というのです。したがって、この権利はとても強力で、私も何度も経験していますが、いったん組合が都道府県知事の認可をもらうと、法務局や銀行に直接出向いて、組合員の財産(預金や不動産)を差し押さえることができるようになります。

少々、本題からそれましたが、ここで問題にしたいのは、組合が土地区画整理法第41条4項の滞納処分として組合員の預金等の財産を差し押さえる場合、その根拠条文は何か?ということです。

えっ、第41条第4項には「地方税の例により、滞納処分ができる」と規定しているのだから、地方税法上に根拠条文があるのではないか?ですって。鋭い!

しかし、地方税法を見ても、実はよくわからないのです。

地方税法は、道府県民税、市町村税、地方消費税、不動産取得税、固定資産税等々の個々の地方税ごとに滞納処分のやり方を定めており、しかも共通の部分は、「国税徴収法の定める滞納処分の例による」と個々の税目ごとに国税徴収法を準用する構造になっています。そうすると、地方税法の中には、賦課金及び清算金の滞納処分に関する具体的な規定はありませんので、賦課金及び清算金に国税徴収法を具体的に準用するように読める条文はないのです。
ええっ、本当か?ですって。本当です。

しかし、具体的な条文を挙げられなくても差押ができないというわけではなく、次のように考えられるのでしょうね。すなわち、土地区画整理法制研究会編『実務問答土地区画整理』(ぎょうせい)という文献の622頁には、「地方

税法の滞納処分の例」の意味として、

「ところで、市町村長は、組合からの申請があった場合は、地方税滞納処分の例によることとなるが、地方税法によれば、地方税滞納処分は国税滞納処分の例によることとされている(地方税法48条1項、68条6項)。したがって、国税徴収法等の規定に従って滞納処分がされることとなる。」

との記述があります。引用されている地方税法48条1項は、個人の道府県民税に関する規定、68条6項は、法人の道府県民税に関する規定なので、それらの条文も国税徴収法の準用を認める根拠規定とは言い難いと思いますが、要するに、地方税法では滞納処分の具体的なやり方は全ての税目において国税徴収法を準用しているのだから、結局、土地区画整理法第41条第4項の「地方税法の滞納処分の例により滞納処分をすることができる」というのは、国税徴収法の定める手続きに従って滞納処分ができる、という意味なのだと解することになるのでしょうね。

少々マニアックな話になってしまい、恐縮です。ではでは、次回の記事も楽しみに待っていてくださいね。